
独特の構造を持つ有名なお寺6選
ベトナムの観光客を魅了しているパワースポットとしての独特な建築構造を持つ神聖なお寺6選をご紹介します。
ドン寺(クアンニン省、イエントゥ)
ベトナムの仏教の中心地と知られているイエントゥに陳朝時代から建立された古い建造物がたくさんあり、その中に最も注目さているのは神聖な「ドン寺」(銅の寺)です。標高1.068mのイエントゥ山の頂上に位置し、「天竹寺」(ティエンチュック寺)とも呼ばれています。『ベトナム記録』に「ベトナム最大の銅の寺」と「ベトナム最高地点に位置する銅の寺」と認定されました。旧正月明けにドン寺を参拝する人々が毎年大勢集まっています。
ベトナムの最も独特な構造を持つ銅の寺 画像引用元: ahalong.com
17世紀、後黎朝時代、当時の木造寺院と異なったドン寺は鄭王の側室によって銅で創建されたと言われています。当初、一人でも入れないほど非常に小さく狭い寺院であったが、1740年と1930年に何度も再建されました。1933年、グエン・ソン・ナムというベトナム系のアメリカ人が海外に滞在した仏教徒と共に寄付して「丁」文字の形でドン寺を改修しました。2006年、チャン・クオック・ス建築家の設計に従って、国外内からの寄付金で建て直され、2007年1月30日に完成されて現在まで残されています。
重さ70トンもあるドン寺 画像引用元: phatgiao.org.vn
ドン寺はバクニン省、トゥアンタイン区にある「ザウ寺」の現型に基づいて建てられ、長さ4,6m、幅3,6m、高さ3,35m、重さ70トン。屋根と天井には陳朝時代の独特な模様が刻まれました。柱組に全て鋳造龍鼻を取り付けています。屋根の四隅に軒反りが咲いている蓮の花のように反り上がっています。ドン寺の左右に鐘楼、裏側に寺院を世話する僧侶が住居する僧舎が設けられました。イエントゥ山の頂上に位置するので、ドン寺を訪れたら雄大な山々の絶景を眺めることができます。
イエントゥ山頂からの景色 画像引用元: innotour
バイディン寺(ニンビン省)
ベトナムの伝統建築であるバイディン寺はニンビン省、ザービエン区、ザーシン社に位置し、チャン・アン遺跡群に属します。バイディン寺域には旧バイディン寺、新バイディン寺、仏教学院、公園など全て含まれています。
バイディン寺 画像引用元: Vietnam Booking
バイディン寺の敷地総面積は539ha、その中の27haの敷地は丁朝時代に建立された旧バイディン寺の面積、80haの敷地は2003年に建てられた新バイディン寺です。雄大な石灰山の大自然に囲まれた広々とした空間のある美しいバイディン寺はベトナム最大規模を誇る荘厳な寺院です。
上から眺めたバイディン寺の景色 画像引用元: dulichninhbinh
ニンビン青石、トゥーティエットウッド、バッチャンレンガなど、地元の建材が利用されてベトナムの建築特徴としてブロック建築で建てられました。各建造物(三間門、鐘楼、観世音菩薩殿、釈迦牟尼殿、三世仏殿)は低地から高地まで5段階を分けて一直線に並んで配置されました。
アジア最大の金銅像 画像引用元: cattour
釈迦牟尼殿の本堂に「アジア最大の金銅像」と認定された蓮花䑓(高さ1,5m)に座っている釈迦牟尼仏像(高さ10m、重さ100トン)が安置されています。
アジア最大笑仏像 画像引用元: toplist
三世仏殿に安置されている重さ80トン、高さ10mの笑佛も「アジア最大笑仏像」と認定されました。
東南アジア最高宝塔 画像引用元: viettourist
バイディン寺に来るなら、ぜひ見逃しなく訪れてほしいのは三世仏殿の西側にある「宝塔」です。李朝時代の仏教建築を代表する「宝塔」は「東南アジア最高宝塔」(13層塔、周囲24mの六角形、高さ99m)と認定されました。最上層にはインドからの仏舎利が保存されており、「舎利塔」とも呼ばれています。
ベトナム最重量鐘 画像引用元: dantri
バイディン寺の鐘楼堂では「ベトナム最重量鐘」(高さ7m、重さ36トン)が設置されています。
上記の記録以外、バイディン寺には「アジア最長羅漢回廊」、「ベトナム最大井戸」、「ベトナム最多の菩提樹量のある寺院」も集まっています。
アジア最長羅漢回廊 画像引用元: HTCamera
リンウン・バイブット寺(ダナン)
ダナンで最も大きな仏教のお寺である「リンウン・バイブット寺」は敷地面積20ha、ダナン市、ソンチャー区、ソンチャー半島に位置します。現在の住職はティック・ティエン・グエン僧侶です。
19世紀、明命皇帝(ミンマン皇帝)時代に、この辺に住んでいた漁師達は海から海岸付近に漂着した仏像を発見して拝殿を建てました。それ以来、人々が平和に暮らしてきました。仏像が漂着した海岸を「バイブット」(仏海岸)と名付けて、現在の「リンウン・バイブット寺」もこの海岸で建立されました。
本堂までの道に2列に並んでいる18の羅漢仏像 画像引用元: Flynow
本堂 画像引用元: Wikipedia
リンウン・バイブット寺は2004年に着工され、2010年に完成されました。広い寺域には本堂、僧舎、講堂、方丈、図書館、観世音菩薩仏像、舎利塔、涅槃仏像など様々な仏教建造物があります。三間門から入ると、本堂までの道に2列に並んでいる18の羅漢仏像が目に入ります。厳かな本堂の中央に釈迦牟尼仏像、右側に観世音菩薩仏像、左側に地蔵菩薩仏像と四天王像が安置されています。
東南アジア最高観世音菩薩仏像 画像引用元: taidanang
リンウン・バイブット寺の最も注目されているのは「東南アジア最高観世音菩薩仏像」(高さ65m)と認定された観世音菩薩仏像です。仏像の背面は山、正面は海に向いており、左手に水瓶を持ち、右手は中品下生を表す印相です。海上の漁師達は仏像を見るだけで安心して漁業活動を行えます。
リンウン・バイブット寺から眼下に広がる青く澄んだダナン湾の絶景を楽しむことができます。画像引用元: godidigo
リンウン・バイブット寺から眼下に広がる青く澄んだダナン湾、グーハインソン景勝、キュラオチャムの絶景、特に夜はライトに照らされるダナンの街並みを楽しむことができます。
ティエンムー寺(フエ)
「ティエンムー寺」(リンムー寺とも呼ばれている)はフエ市中央から西約5km、香川に面するハケー丘に位置し、フエを訪れる観光客の人気スポットです。
香川に面するハケー丘に位置するティエンムー寺 画像引用元: timchuyenbay
ティエンムー寺は1601年に創建されたフエ古都の最古寺です。阮潢(グエン・ホアン)国王がトゥアンホア(現在はフエ)の知事であった当時、馬に乗って地形を観察している途中、香川に向いている龍のように見えたハケーと呼ばれる小さな丘を見つけて、香川に面するお寺を建てて「ティエンムー」と名付けました。「ティエンムー」の「ティエン」は「天」という意味で、神様に関わるではないかと心配した嗣德皇帝(トゥドゥック皇帝)が1862年に「リンムー」と寺院名を変更したが、1869年、また旧称であった「ティエンムー」を呼ばせることにしました。現在、両方の名称で呼ばれています。
ティエンムー寺の境内 画像引用元: mytour
ティエンムー寺の建造物(天王殿、ダイフン殿、法堂、蔵経楼、クオックズエン塔など)は全て南北方向の長方形丘の上に建てられました。最も際立っているのは1844年に建立された八角形の「クオックズエン宝塔」、全部で7層があり、各層に異なる仏像が安置されています。
1844年に建立されたクオックズエン宝塔 画像引用元: Cattour.vn
三間門に設けている紹治皇帝(ティエウチー皇帝)が自然が生み出した壮大で神秘的な寺院の風景について書いた『天媽鐘聲』(ティエンムー・チュン・タイン)詩曲が刻まれた石碑は現在まで残されています。
一柱寺(ハノイ)
一本柱で支えられる池に浮かぶ蓮の花のようなユニークな建築の寺院である「一柱寺」はハノイ観光の定番スポットであり、「延祐寺」や「蓮花䑓」とも呼ばれています。
ユニークな建築の一柱寺 画像引用元: Huongphucan.vn
1049年、李太宗皇帝(リー・タイ・トン皇帝)は蓮花䑓の上に座っている観音菩薩が皇帝を蓮䑓に乗らせたという夢を見てから、廷臣たちにその夢を伝えたら、ティエントゥエ僧侶に池に一本石柱を立ち上げてその上に夢で見た観音菩薩の蓮䑓のような形でお寺を建立すること勧められました。寺院が建立された後、僧侶たちが寺院の周りに祈りながら歩き回ったため、「延祐寺」(祐助を延ばす)と名付けられました。
1896年の一柱寺 by: Firmin André Salles
李太宗皇帝時代、1049年〜1105年建てられた一柱寺は何度も改修されました。1954年フランス軍に崩壊された後、1955年グエン・バー・ラン建築家によって、阮朝から残された設計に基づいて再建されました。
2012年に「アジア最もユーニックな寺院」と認定された木造の一柱寺 画像引用元: phathocdoisong
清らかな蓮池に立つ2012年に「アジア最もユーニックな寺院」と認定された木造の一柱寺は蓮の花のような建築と形容され、屋根の上に「双龙朝月」が彫刻されて屋根の四隅に軒反り反り上がっています。寺院の中央に、観音菩薩が蓮花䑓に座している朱塗り仏像が安置されています。
フオックディエン寺(アンジャン省)
神聖な場所であるアンジャン省には多くの厳かな古寺がある地方と知られています。その中の一つは地元の参拝客に人気のパワースポットとしての「フオックディエン寺」です。
フオックディエン寺(ハン寺) 画像引用元: Wikipedia
フオックディエン寺(ハン寺とも呼ばれている)はアンジャン省、チャウドック市、サム山に位置します。「フォック」とは「福」、「ディエン」とは「田」という意味で、「フォックディエン」は「祝福をもたらす土地」と考えられています。
伝説が残る「フオックディエン寺」 画像引用元: thamhiememkong
フオックディエン寺は本来1840年〜1850年の間にレー・ティ・トー(1818年〜1899年、法名:ジエウ・ティエン)という修行者に建てられた竹の葉葺の修行所だと言われました。当初サム山にある「西安寺」で修行したトーさんは1950年、「西安寺」から離れ、途中で小さな洞窟を見つけて、ここで修行することを決めました。これはフオックディエン寺の起源でした。1885年、トーさんの美徳を称賛したチャウドックのグエン・ゴック・カン通判が地元の人々と一緒に寄付して寺院を再建しました。19037年までフオックディエン寺が全部で2回改修されました。
フオックディエン寺まで行くには階段を上ります。 by: Thai Bung Bu
神秘的な美しい風景のあるフオックディエン寺まで行くには高さ300mの階段を上ります。これも他に見られない「フオックディエン寺」の独特な建築です。正面幅11m、背面幅10mの寺院は青石の地面の上に建てられ、柱組が全て鉄筋コンクリート造、屋根に琉璃瓦が用いられています。彫刻された書画と連句がたくさん飾ってあります。正面に高さ20mの旗竿が設けられて、階段に2体のライオンのコンクリート像が据えられました。
境内にある橋 画像引用元: thamhiemekong
100年以上歴史を持つ厳かなフオックディエン寺では日常と離れた静かな空間で祈り、大自然の中でゆっくりとした時間を過ごすことができます。
フオックディエン寺では大自然の中でゆっくりとした時間を過ごすことができます。 画像引用元: dulichvietnam
パワースポット好きな方はぜひご紹介したユーニックな構造を持つベトナムの有名な寺院にお立ち寄りください。
参考元: Innotour、Danangfantasticity、Thamhiemmekong