
ハノイの3つの古寺と伝説
宗教ツーリズムに興味を持つ観光客に千年の歴史を持つハノイ首都のおすすめの歴史ある3つの古寺をご紹介します。
フック・カイン寺、首都中心部に存在するパワースポット
ドンダ区、ティンクアン町、タイソン通り、382号に位置するフック・カイン寺はベトナム仏教北派に属し、ハノイの名刹巡りのおすすめの仏閣です。ソ寺とも呼ばれているフック・カイン寺は後黎朝の阮惠(グエン・フエ)皇帝を弔うために建設されました。ドンダの争い(1789年)による火事で焼損された後、チエウ・リエン(当時の僧侶)は寺院で隠れたチャン・ヴァン・レー海軍大将(西山朝)の助けを借りて再建しました。
ベトナム仏教北派に属するフック・カイン寺 画像引用元: vietnamnet
フック・カイン寺は1853年、1921年、1932年、1935年、1940年、1993年、1996年、1998年、それぞれの年に何度も建て直されました。1940年、当時の住職のティック・チュン・トゥはフック・カイン寺を優秀な僧侶育成と僧侶たちの毎年の安居する場所として建設しました。
正面に大きな入り口、横側に二つの小さな入り口と唐獅子柱(唐獅子の形を象った柱)の組み合わせというタムクアン門(三門)と呼ばれるベトナムの伝統寺院建築で建てられました。仏殿には五室のある前堂と三室のある後堂があります。前堂の入り口の正面に「黄金殿」という漢字を大きく書かれ、柱組にもクックディエップ(蝶と菊)、トゥンハック(鶴と松)、リエンアップ(鴨と蓮)というベトナムの伝統芸術で彫刻されました。祠堂は亡くなった住職達が祀られているところです。18世紀に造られた20以上の西山朝風の像や21以上の石碑が現在までも寺院に残されています。
ティック・タイン・クエット(Thich Thanh Quyet)上座は現在の住職。
フック・カイン寺の境内 画像引用元: travel360.vn
どんな願いも叶えてくれるのはフック・カイン寺が昔から願成就寺としてハノイのパワースポットとなった理由だと言われています。毎年旧暦1月14日の夜間に行われる「家内安全祈願」という行事に参加する国内の人々が大勢いますが、多くの人も8日、15日、18日に参拝に来ています。
参拝に来た人々の様子 画像引用元: tintucvietnam.vn
アクセス方法
2号、16号、24号、27号の都市バス(運賃:10.000VND以下、約50円以下)、タクシー。
チャン・クオック寺、古寺ならではの建築
約1500年の歴史を持つハノイの最古の仏教寺院と知られているチャン・クオック寺はタイホー区、イエンフー町、タインニエン通りに属し、西湖の東側に浮かぶ水で囲まれている小島に位置します。
西湖の東側に浮かぶ水で囲まれている小島に位置するチャン・クオック寺 画像引用元: vietravel
ベトナム文化遺跡辞典(ハノイ、1993年)によると、チャン・クオック寺は前李朝の李南帝(リー・ナム・デー)皇帝朝(541年ー547年)に紅河沿岸の近くにあるイーホア村で創建されたが、黎朝の黎中興(レー・チュン・フン)皇帝朝(1615年)からイエンフー堤防に移動されて李朝のトゥイホア宮と陳朝のハングエン殿であった土地で再建されました。1624年、1628年、1639年、それぞれの年に建て直されて、1639年、グエン・スアン・チン状元が寺院を復元したことについて文章を書いて顕彰碑を建てました。当初の寺院名を「カイ・クオック寺」だと称したが、黎熙宗(レー・ヒー・トン)皇帝朝(1675年ー1705年)から「チャン・クオック寺」と名称変更しました。1842年、紹治(ティエウ・チー)皇帝が寺院を参拝した際、1枚の金貨と200貫(現在120.000VND、約600円)寄付して、寺院名を「チャン・バック寺」と改称したが、「チャン・クオック寺」と国民達が現在に至っても呼ばれています。
チャン・クオック寺の入り口 画像引用元: vietravel
高さ15m(11層建て)の宝塔 画像引用元: vietravel
チャン・クオック寺は寺院の西に向いている本堂が他の建造物と「工」の漢字のように繋がるという建築で建てられました。ここならではの建築として他の仏閣にない建造物は高さ15m(11層建て)の宝塔(バオタップ)であり、それぞれの層に6つの窓があって、窓ひとつひとつに天然石から造られた仏像が安置されています。宝塔の周りには18世紀に建てられた墓塔が並んでいます。
2019年、古寺ならではの仏教建築と水で囲まれている幻想的な風景でチャン・クオック寺はイギリスのワンダーラストサイトに世界で最も美しい10の寺院の1つに選ばれました。
イギリスのワンダーラストサイトに世界で最も美しい10の寺院の1つに選ばれたチャン・クオック寺 画像引用元: khoanhkhacvietnam.vn
平日、休日を問わず、ベトナム人限らず、外国観光客も訪ねているチャン・クオック寺では特に旧正月シーズンに新年の安全、幸運を祈念するために参拝する人々が多く集中しています。
開門時間:午前8時
閉門時間:午後4時
拝観料金:5.000VND(約25円)
アクセス方法
30号、50号の都市バス、タクシー。
首都中心のある蓮華のようなチャン・クオック寺 画像引用元: Wikipedia.org
縁結び・恋愛成就のハー寺
カウジャイ区、ジックヴォン町、チュアハー通り、86号(かつてトゥーリエム区、ジックヴォン村(ヴォン村)であったところ)に位置するハー神社・寺院遺跡区にはハー寺とボイハー神社が含まれています。恋愛成就のパワースポットとして有名なハー寺で恋愛にまつわる願いごとをする人は圧倒的に多いそうです。海外観光客にも人気の目的地だと知られています。
恋愛成就のパワースポットとして有名なハー寺 画像引用元: meta
ハー寺の入り口 画像引用元: baodulich.net.vn
李朝の李聖宗(リ・タイン・トン)皇帝は(当時42歳)まだ子供ができてないためジックヴォン村にあるお寺で子宝を授かるために祈念した後、乾徳太子を産んだという伝説があり、皇帝がジックヴォン村の他のお寺にも寄って、建て直しにお金を寄付した理由でこのお寺(現在のハー寺)が「聖徳寺」と呼ばれるようになりました。聖徳寺は戦争で何度も被害を受けました。黎熙宗(レー・ヒー・トン)皇帝朝(1675年ー1705年)に、バックジャン省、トーハー村出身の二人がタンロン城内外の市場で陶器を販売しながら、聖徳寺で生活をしていました。販売して得たお金をすべて寄付してジックヴォン村の人々と1680年までもまだ葉で葺いた屋根の寺院を建て直したため、聖徳寺がハー寺(トーハー村のハー)と名称変更されました。
木製の茶色で境内の昔懐かしい雰囲気 画像引用元: kenh14.vn
ハー寺には他の仏閣と同様にタムクアン門もあり、境内の真ん中に緑で囲まれている半円形の池があります。池の側に歴史に関することを漢字で書かれた石碑と、入り口の右側に阮朝から寺院の建て直しについて書かれた18の石碑が置かれています。トーハー村の陶器も現在までまだ寺院で保管されています。
アクセス方法
7号、16号、20B号、28号の都市バス、タクシー。
緑に囲まれている境内の池に鯉がゆうゆうと泳いでいます。画像引用元: luxstay
上記の3箇所の寺院の仏教建築の特徴、1000年以上の歴史、著名な伝説で観光客がハノイ首都の仏教文化や思想についてよく理解できるでしょう。